人気ブログランキング | 話題のタグを見る

アードラーの夢

ayakoadler.exblog.jp

アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。

Love and Compassion

Love and Compassion_b0253075_17095424.jpg

12月31日の午後
リンポチェの身の回りのお世話をしておられるアニ・サムテンが
ご法話の合間にJ先生の座っているところまで、
「リンポチェが、お体の調子がお悪いのではないかと聞いておられます」
と尋ねてこられました。

私は離れたところに座っていたので
そのときの会話を知らなかったのですが
先生は、確かに体調が悪いのですと伝えたそうです。

その後、夕食の配膳を待って並んでいると、
リンポチェがアニといっしょに、まっすぐ私たちの方に歩いて来られました。

リンポチェはなんと涙を流しておられます。
リンポチェのお言葉をアニラが
「インターネットでチベットのお薬を調べて、必要なものを言いなさい。
 リンポチェはお薬をたくさん持っているので、欲しいものを差し上げます」
と通訳してくださいました。

私は、はじめ何のことか分からなかったのですが、
リンポチェがJ先生の身体のことをこんなにも気にかけて
涙を流すほどに心配してくださっていることを知って、驚きました。

私は、こちらからリンポチェにJ先生の体調の悪さをお話しして
なんとかお加持をいただき助けていただこうと考えていました。
ですが、何も申し上げていないのに
リンポチェの方から、気がついてくださったのです。

母親が子どもの姿を見ただけで
子どもの心や身体の状態が分かるように

リンポチェはJ先生の姿をご覧になって
あるいはJ先生や私の心をご覧になって
分かってくださったのです。

私たちの苦と苦の因を取り去りたいと願われて
涙を流してくださっている・・・
リンポチェはまことに大悲の観音さまと等しいお方です(T_T)(T_T)
・・・・・


さて、インターネット検索してみましたが
チベット薬ってたくさんありすぎて、
どれがよいのか、J先生ご自身お医者さんでも分からないのでありました。
それで、明日になったらリンポチェに厚くお礼を申し上げて
お加持だけいただきましょうということになりました。

その夜(大晦日の夜)は
血のついたシーツやカバーをつまみ洗いして、
洗濯ものといっしょに乾燥機にかけて
少しすっきりしました。
同宿者たちとの会話も多くなり、知り合いも増えてきました。


2018年1月1日、
またアニラがJ先生のところに来られ
「リンポチェが、このお薬がよいだろうと選ばれました」と
チベットの丸薬4個と英語の説明書とを置いていかれたそうです。

私が行くと、先生が「どうしよう」と困惑しておられました。
って・・・
リンポチェが選んでくださったお薬です!
利かないわけありません!
よかったわ~、これで安心!と大喜びの私に比べ、
当のJ先生は「うーん、飲むしかないか・・・」と困っておられます。

あぁなるほど。
西洋医学のプロである先生にとって
未知の丸薬をご自分の身体に入れることは
普通の者に比べてはるかに大きな冒険なのですね。

先生にとっても、乗り越えなくてはならない試練がきたようです(^^)

でもその晩、説明書に従って丸薬をお湯につけて蓋をして
翌朝の夜明け前、きちんと服薬しておられました(^^)

2日続けて飲まれると、
坂を上る足どりが、ずいぶんしっかりとしてこられたように思いました。

リンポチェにお礼を申し上げにいくと
「あの薬を飲んで
 コルラをたくさんすれば
 必ずよくなるであろう」
と言っていただけました。

ありがたすぎるお言葉です(T_T)(T_T)
「必ずよくなる」
このお言葉が、どれほど欲しかったか・・・!

Love and Compassion_b0253075_16234716.jpg

リンポチェは、私たちをご覧になるだけで
あるいは触れるだけで
分かってくださるのだと思います。

また私の方も、
リンポチェがこちらに向って直接何か言ってくださるときは
アニラの通訳がなくても
何をおっしゃっているのか、だいたい分かります。
表情・・・声のトーン・・・
いえ、たぶん心が
通じているのだと思います。

思い上がりでしょうか・・?
いやでも、ご法話のときは全く分からないんですよ(笑)



さらに数日したある日には、
Teaching の後、退出される際に
出口の私の前で立ち止まられ、
法衣の懐から別の青い薬の箱を取り出され、
私の手に押しつけられました。
「Oh, no」とかなんとか言って遠慮していますと
(たぶん)「ええから、ええから、これを取るのじゃ」とチベット語でおっしゃっています。
アニラが後ろで笑って「This is another one」と言われ、

結局J先生は、あやしいチベットの丸薬を
さらにもう1種類飲むことになったのでした(^^)


ご本人は「最初来たときは普段の20%程度の体調だったが
今は55%程度」と、ずいぶん遠慮がちに言われますが

客観的に判断しますと
ここへ来た最初の頃の状態は10%
丸薬を飲み、コルラをしているうちに
60%程度に上がってきたように思えます。


またある日には、
「ほんとうに、もうすっかりよくなったか?」とお尋ねくださいました。
J先生は「はいはい、もうすっかり」なんて笑顔でおっしゃるのですが
私が正直に「sixty percent」と答えますと
「ターラー菩薩にお祈りしなさい。一心に祈るのじゃ」
とのお教えをたまわりました。


何から何まで
リンポチェ、ほんとうにありがとうございます。
これだけ丁寧なご指導を根本ラマからいただけたら、無敵です。


J先生のご体調不良のおかげでといっては何ですが、
衆生のひとりひとりに
どれほどの愛をリンポチェが注いでくださっているか
身にしみて分かりました。

 生類ひとりも余さずに
 菩薩の境地に渡すべし


ガルチェン・リンポチェは仏陀そのものです。

Love and Compassion_b0253075_16265552.jpg





by prem_ayako | 2018-01-18 00:44 | tibet

アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。


by prem_ayako