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アードラーの夢

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アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。

生きているダルマ

歩き疲れたので
東寺内の小さな喫茶店にみんなで入りました。

ひなびたお店でしたが、窓の外に鯉の池があり、
西日がやわらかく差す席で、
リンポチェはとてもくつろがれたご様子でした。

ミュージアムをいくら見ても仕方がない、ということなのでしょう、
「他の寺にはもう行かなくていいよ。I am happy here」
とおっしゃるので、風が強くて寒い日でしたし、
ここでゆっくりと過ごすことにしました。


日本の仏教はたしかに死んでいます。
人々は死んだ目をして毎日の生活に追われています。
でも心では本当のダルマを教えてくださる人を探し求めていました。
日本に生きた教えを伝えてくださってありがとうございます。
とみんな口々に、リンポチェにお礼を言いました。

日本は仏教国だ。
日本人には、もともと仏教に対する信仰がある。
正しいダルマを知れば、日本人は変わるだろう。
とリンポチェはおっしゃいました。

リンポチェが来てくださって本当にありがたい。
私たちはほんとうに渇いていたんです。と言うと、
Thirsty? Then, drink water!
と混ぜっ返されます(^_^;)

あるいは、質問したり
自分たちのセッション中の体験をシェアしあったり
リンポチェもあれこれくつろいだお話をしてくださったりして、
とっても楽しい美しい時間でした。


リンポチェがお話をなさっていると、
外の池の鯉も、窓際のリンポチェの方に泳いできましたし
鳩もリンポチェの窓の外に飛び降りました。

本当に起こっていたのですよ。

私たちは、ほんものの、生きたブッダにお会いしていたのです。
人身得難く正法逢い難し。
私たちはこの2つともに得るという、奇跡の中にいたのです。

生きているダルマ_b0253075_1152659.jpg


夕日の中、京都駅まで歩いてもどって
荷物を受け取り、
ご一緒してくださった○さん、Bさま、Kちゃんとお別れし、
私はリンポチェと特急「はるか」に乗り込み、一路、関西空港に向いました。

2人掛けの席で、もちろんリンポチェには窓側に座っていただき、
私が切符をお預かりして、ゆっくり休んでいただきました。

お疲れのリンポチェは真っ直ぐにお座りになったまま目を閉じて
関空に着くまでの1時間半、
物音ひとつさせず、深い眠りに入られたようでした。

私もリンポチェの眠りを妨げないように
静かにこの2週間のことを思い出しておりました。

ともに過ごさせていただいて、ようやくコミュニケーションが取れるようになりました。
思えば最初に来られた日には
私たちがリンポチェの英語のアクセントに慣れていなくて、
なかなか意思疎通がうまくいきませんでした。
来日早々、リンポチェは困ったもんだと思われたかもしれません。
今ようやく、ちょっとこみいった話でも
あるいはざっくばらんな個人的な話でも
気軽にできる関係ができたのに
もうお帰りになってしまわれる。

私たちは信じられないような日々を過ごしましたが、
リンポチェのおられない日々もまた、信じられないような気がします。


終点が近づくとリンポチェは自然に目を覚まされて、
I had a good sleep.
と微笑まれました。

凄いですね。
お休みになるときも
覚者とはこういうふうなのですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
by prem_ayako | 2017-04-01 23:59 | tibet

アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。


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