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アードラーの夢

ayakoadler.exblog.jp

アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。

パセージ・プラス@盛岡

1週間、盛岡に行って参りました。
開発者J先生による集中パセージ・プラスのコース見学
および避暑
のためです(^^)v

ちょっぴり太って帰ってきました。
が、そのお話はあとにして・・・
忘れないうちに、お勉強!
学んだことをシェアしておきますね~


J先生のパセージ・プラスのコースは、
2013年2月の大阪でも見学させていただきましたが、
リーダー養成を目的としたものではない
実際に子育て中のお母さん方を対象としたコースは
このときが初めてだったはずです。

もちろんテキストは手作り感満載、
右ページもついていませんでした。

その後、先生は三重や滋賀や奈良、関東や福岡にも出張されて
パセージ・プラスを開催されましたが、
私自身は見学のチャンスがないまま
4回、コースを開かせていただきました。

自分でやってみて、その上で
あらためて先生のコースを見学させていただくと、
本当に本当にお勉強になりました。

先生は、「東北に種を蒔く」という菩提心から
激しい速度で(^^;)
詰め込みで(^^;)
集中性思い切り高く(^^;)
1章につき6ケース扱うなんていう離れ業をなさいましたので・・・
このようなコース運びは、
よい子はマネをしない方がよいと思います(笑)

私ども一般のリーダーは、
ひとつずつの事例をゆっくり丁寧に味わいながら
みんなでいっしょ~に学んでいくことを
今までどおり、目指すのがよいと思います。

ただ、今回、リーダーとして、けっこう致命的なところで
誤解していたことや発見したことがあったので
その部分をシェアしておきたいと思います。


1)be(状態)

ライフスタイル分析をするときには、プラス側はいつも
I should be であって I should do ではないと、
気をつけていましたが、

テキストにはそこまで書かれていないけれど、
仮想的目標においても、be(状態)を意識しておくのがよいと学びました。

仮想的目標の4つの特徴はそらで言えるわ~というぐらい
分かっていたつもりだったんですけどね・・・
このポイントは、押さえそこねておりました orz
はい、私はまだまだ未熟なリーダーですm(_ _)m

仮想的目標の特徴②:行為を含まない
対処行動がすでに成功してしまっているイメージですから、それ以上なにかを「する」必要はありません。行動はすでに終わってしまっています。「○○が達成されてしまっている」というイメージです。


リーダーは、「このとき子どもさんがどう答えてくれたらキラキラしますか?」
などと尋ねて子どもの台詞(や行為)を考えてもらって、
それを仮想的目標とするのですが

仮想的目標の特徴②は、
厳密に言うと、
そういう台詞を言う子どもが、お母さんの理想の「状態」を達成しているかどうか
というのがポイントだったようです。

たとえば、お母さんの理想の「やる気のある子ども」状態を達成しているからこそ
子どもの台詞は、「うん、お母さん、すぐに宿題するよ!」のようになりますし、
あるいは、お母さんの理想の「成長した子ども」状態を達成しているからこそ
台詞は「ボク、自分で歩いていくよ!」というようなものになるのです。

つまり、仮想的目標は相手の行動や台詞として取り出しますが、
そこに達成され、完成された「状態」がイメージされていること。
それが、「行為を含まない」の真の意味だったのです。

自分が、もうそれ以上何かをする必要がないというだけでなく、
子どもも、もうそれ以上変わる必要のない理想状態。
自分の行為も子どもの行為も、それ以上はもう要らない
っていうイメージだったんだ!と気がつきました。

おもしろいです。
深いです。


2)行為と人格の分離

行為と人格を分離するページでのJ先生の詰め方は、
それはそれは見事で
思わずメモりました。

アドラー心理学では、子どもが不適切な行動をするのは、1)適切な行動のやり方を知らないか、2)知っていても適切な行動をする勇気をくじかれているか、のどちらかだと考えます。どちらにしても子どもを罰するべきではなく、子どもを勇気づけるべきです。子どもは適切な人格をもっているのに、わけがあって、たまたま不適切な行動をしたのだと考えるようにしてください。

この、「わけがあって」というのが
ポイントですw

たとえば、「子どもがごはんをさっさと食べないんです」というお母さんに。

子どもは1)ごはんをさっさと食べる方法を知らないのか
    2)方法を知っていても適切な行動をする勇気をくじかれているのか
どちらだと思いますか?と問いかけます。

「さっさと食べる日もあるので、たぶん、方法は知っています」
とお母さんが答えたとすると、

そうすると、この子の人格は適切なのだけれど、
たまたまこの時、不適切な行動をする”わけ”があったのですね。
その”わけ”とは何でしょうね。
誰かがこの子の勇気をくじいたのかもしれませんね。
さてその誰かとは誰でしょう?

・・・お母さん「わ、私?」
(爆)

あぁ、さらりと書いてあるこの4,5行の文言を
こんなふうに使うんだ~と感激してしまいました。
まるで詰め将棋です。
でもテキストに沿っていますから
お母さんは納得するしかありません。

そして、実のところすべては仮想だけれども、
「この子は本当はいい子なんだけど、
 自分がこの子の勇気をくじいているんだ」と思うと
問題を解きやすくなります。
だって「私」が変わればいいんですから。

これは技術的な学びでした。


3)肯定文の力

補正項にも書かれていますが、
今回のコースで、先生が特に強調しておられたのは、
すべての文章を肯定文で、ということでした。

仮想的目標も、私的感覚も、代替案も
徹底的に肯定文で言うお稽古をしました。

まず仮想的目標について。
私は、私のパセージ・プラスのコースを受けられた方々に懺悔しなければなりません。

仮想的目標の特徴④:否定文ではなく肯定文
仮想的目標は肯定的・積極的なもので「○○でない」とか「○○がなくなる」とかいうような否定形の感じでなく、「○○になる」とか「○○が起こる」とかいうような肯定形の感じをもっています。


ここについて、誤解しておりました。
申し訳ありませんっm(_ _)m

たとえば「『ごめんなさい、もう2度とこんな失敗はしないよ!』と明るく子どもが言う」
というような仮想的目標を、私は今まで採用していたと思います。
「『 』と言う」は肯定文だから、
『 』内の内容が否定文でもOKだと思っていたのです。

ですが今回、この『 』の中身も、肯定文にするべきだと教わりました。

そして確かに、たとえば上の『 』内の否定文を、
「『ごめんなさい、これからは周りをよく見て気をつけるよ!』と明るく子どもが言う」
というふうに置き換えると、
それはそのままで、スムーズに代替案になります。

だって、ここでひと手間かけて肯定文に考え直すという作業は、
すでに次のステップの
協力的な仮想的目標に向かう準備になっているのですから!

なんて美しく
協力的な暮らしにむかって
導くことができるんでしょう!

これは、ほんとに基本的なところです。
それに気づかずにいたリーダー・・・
(私だけ?)ご、ごめんなさいっ!!

ただ、言い訳になりますが、
初期の頃には先生は、あまり細かいことはおっしゃらなくて
ざっくりでいいんだよ、ざっくりで、と
こういうのも容認しておられたように思います・・・


次に、私的感覚。
私的感覚は2章で学びますが
J先生は、全コースを通し全エピソードについて、
全員の私的感覚を見つけていかれました。

それはもう鮮やかに。
スパスパスパっと、
まるで手のひらの上で音もなく豆腐を切るかのように・・・!
(この秀逸な喩えは青森のNさんからいただきました ^^)

で、この私的感覚のマイナス側も、やはり肯定の形で表すと、
とても美しく豆腐が切れます。
もとい、美しく援助ができます。

「言葉の限界が世界の限界を決める」
と教わりましたが
たしかに私的感覚のプラス側・マイナス側ともに肯定文で表すと、
その方の世界がぐっと拡がるようでした。

ときに、その気づきに涙する方もおられました。
「ああそうだったんだ。私はずっとこれを大事にしてきたんだ」
と気がついた時、人は自分のことを理解し、
自分のことを受け入れることができるのかもしれませんね。

これも、以前は
プラス側「○○である」、マイナス側「○○でない」でもOKだというように
習った気がするのですが・・・(言い訳です)

要は、必ず肯定文でなければならない、というよりも
よりよい分析とよりよい援助のためには
肯定文を使うのが有効だ、ということだと思います。

私たちは幸いなことに
最も進化した
最も高度のデモンストレーションを見せていただいたわけです。


そして代替案。
代替案までに、ひと手間もふた手間もかけて
仮想的目標や私的感覚を肯定文に変換しているので
もう、あとは
プラス側の肯定形の願いを、そのまま相手に伝えれば
基本的にそれが代替案になるのです。

おお!なんてシンプル。
協力的な代替案がなかなか見つけられなくて困っていましたが
これからは肯定文を意識することで、解決するかもしれないですね!
・・・なんて簡単に思えるのは
たぶん先生のデモが鮮やかすぎて
私もまだ魔法にかかってるからかもしれません。


そんなこんなで、マニュアル無視の超速コースでしたが、
燃え尽きて頭がまっ白になったのは、私を含めて
主にリーダー資格を持った方たちで、
若いお母さん方は、楽しんでジェットコースターに乗っておられたようです。

最後のシェアリングをお聞きしていると
「みんなのために私にできることは何か」という思想の部分が
しっかりみなさんの中に根を下ろしたみたいで
感動的なお話をたくさんお聴きしました。


とってもよいコースでした!
実にハードでしたけど(笑)
外様の私も暖かく迎えていただき、うれしかったです。
みなさま、どうもありがとうございました!
by prem_ayako | 2015-08-18 09:58 | psychology

アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。


by prem_ayako