アードラーの夢

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アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。

台湾(2)Tainan/Anping

台湾を訪れるのは、実は私は3度目になります。
前は2度とも純粋に観光目的で、
故宮美術館や、九扮や、東岸の花蓮にまで足を伸ばしもしました。
でも、台北以外の土地に泊まったことはありませんでした。

今回は大きなJ先生のご希望で、台南を訪れてみることになっていました。
台南を拠点に活躍した国民的英雄、鄭成功(ていせいこう)に
興味がおありだからです。

「台北中央」駅から台湾の新幹線・高鉄に乗れば「台南」駅まで2時間たらず。
私はずっと、リンポチェからいただいた仏さまを、
ひざに乗せて抱っこしておりました。

ところが私たち、夢見心地になっていたためか、
ホテルは台鉄の「台南」駅の方だという事実を
すっからかんと失念しておりました(>_<)

高鉄のインフォメーションのお姉さんに教えてもらって
仕方がないので台鉄に乗り換えて、
ごとごとと揺られているうちに、外はえらい雨になっていました。

めざす台鉄「台南」駅についた時には、もうどえらい豪雨。
駅の地下道はすでに雨漏りしていて、床にブリキのバケツが置いてあります。
昨今なかなか見ない風景です・・・

亜熱帯の台湾、雨の降り方が日本とちょっと違います。
土・砂・降り!
ほとんどの人が大きな合羽をすっぽりかぶっています。

やっとつかまえたタクシーの運転手さんにホテルの番地を見せました。
「この路地を奥に進めばホテルあるからね」と親切に示して降ろしてくれたものの
行けども行けども、それらしき宿は見つかりません。

豪雨の中、大きな荷物を引いて行きつ戻りつして困っていたら
路地の入口に、壁代わりの透明ビニールを吊った、小さな飯屋さんがありました。
ビニール越しに、出先から戻って傘を閉じようとしているおかみさんと、
粗末な椅子に腰掛けた、白いランニングシャツのおじさんが見えました。

J先生がビニールのすき間から中に声をかけて、道を尋ねました。
まず奥さんが顔をしかめて番地と地図を眺め、
おじさんの方が横からのぞきこんで、「あ、わし、ここ知ってる」と言いました。

「知ってる知ってる。わしが案内したるわ」と(なぜか関西弁に聞こえる)
おじさんは奥さんのビニール傘をひったくり、
さっと先に立って、「こっちこっち」と案内してくれたのでした。
!なんていい人なんでしょう! こんな雨の中、わざわざ出てきてくれるなんて!
「日本人? ここすべるからね、ゆっくり。ゆっくり」

私たちは、この雨ではほとんど役に立たない折りたたみ傘をさし、
すでにびしょ濡れです。
さらに不幸なことに、私はビルケンシュトックのサンダルを履いておりまして orz
サンダルも靴下もずぶ濡れで、グチョグチョと音がするほどです。。。。。
リンポチェからいただいた仏さまを入れたバッグを必死でかばいながら
すべらないように用心して、後をついて歩きました。

細い路地をずいぶん奥まで歩いて、さらに分かれたもっと細いすき間に入っていくと
こんな場所、誰が分かるか!というような所に、私たちのお宿はありました。
でも実は、表通りからならすぐに分かるのに、
タクシーの運転手さんが裏側に回ってしまったようなのでした。

「ここやで、じゃぁな!」
おじさんは身を翻して、雨の中、ひょいひょいっと帰って行きました。

こうしてチェックインできたのは、もう午後8時ごろ。
高鉄の「台南」駅を降りてから、1時間半も経っていましたよ(T_T)
まだ夕ご飯を食べていなかったので、
このあと、再度雨の中に出かけなくてはならなかったのですが・・・
もう特記するような事件はこの日はありません(これ以上あってたまるか)

散々ではありましたが、昼間のリンポチェの笑顔を思うと心がポッと明るくなります。
明日は明日の風が吹く・・・
とりあえずは清潔なお布団でぐっすり眠りました。

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・・・翌朝も土砂降りでした。

今回学んだことですが、
ガイドブックに載っていないような小さな台湾のホテルって
「朝食付き」と書いてあっても、実は近所の店の食事割引券をくれるだけで
その近所の店ってのも、閉まっていたり見つからなかったり、
ちょっと入るのをためらうような所だったりで、あまり使えないことが多いんですね。

まあそれでも、もらった割引券8枚中、2枚使えたんだから良い方かな。。。
台湾風サンドイッチの露店でテレビニュースを眺めていたら、
「注意喚起 強風大雨 河川増水 低気圧」などとテロップが流れます(>_<)

良識ある私はホテルへ戻ろうと提案しましたが、
大きなJ先生は、このまま市内観光しようとおっしゃり、
とりあえず、すぐそこに見えている Chihkan Tower(赤かん楼)だけは行きましょか。
ということになりました。
Chihkan Tower は、鄭成功の台南における城のひとつです。

晴雨兼用の折りたたみ傘をこれ以上酷使するのは可哀相すぎるので、
私はまず、コンビニで長傘を買いました。
警報が出ているような豪雨の中、
芝生の庭は池となり、れんがの階段は滝となる中を歩き(渉り?)
(今日も可哀相なビルケンシュトック!)
なんとか建物内に入りました。

それでもすでに何人かの観光客がいたのですから、驚きですね。
私の良識を越える人々が、けっこうおられるということだわ(笑)


ここで雨宿りしているうちに小止みになってきましたので
そのまま市内散策を強行することにいたしました。
(こうなりゃヤケクソですわ)

b0253075_2049479.jpg祀典武廟(関帝廟の総本山)
大天后宮(媽祖廟の総本山)
鄭成功の家廟、
孔子廟、などなど。

道を曲がるたびに現れるお堂やお寺を
片っ端から見て回り

お昼にはいったんホテルに帰って休みました。


午後、もう雨の峠も越しただろうというご意見に従い、
今度は台南市の北西の端にある、安平という海沿いの観光地に行きました。
ここも、鄭成功がオランダから奪い取って拠点にしていた所です。

美しい安平古堡(ゼーランディア城)にいる間はよかったのですが
その後、またもや土砂降りの雨になりました。
安平樹屋に入園し、古の貿易会社の建物に避難して
1階テラスの、まだ足元の乾いていたベンチに座って雨を避けましたが

あまりの雨に床上浸水してきてw
一時は、このまま降り続いたらベンチの上に立って救助を待つのか。
下手に屋内に入って、ここで溺死なんてことになったら困るわね。
なんて妄想するぐらいの激しさでした・・・

しかし仏さまのご加護もあり、そのうち水は引いてきて、
観光客たちはまた、何ごともなかったように見物を再開し
私たちも、お目当ての樹屋を見ることができました。

樹屋は、崩れた倉庫にガジュマルの巨木が覆い被さって茂るさまが売りなのですが
いやはや、豪雨の合間で空は薄気味悪い暗さで
床は池というよりも、もはや海、
天井を覆うガジュマルの根っこからはボタボタと水滴が落ち・・・という
このタイミングで見物するには、ちょっと恐ろしいような所でしたね。。。

樹屋に付属のお土産物屋さんで、
昨夜の飯屋のおじさんにと、お土産を買い求めました。
売り子のおばさんも、一生懸命でとってもいい人だったです~

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豪雨の合間、と書きましたが、
この後またもや大雨になりましてね。
帰りのタクシーがつかまらなくて、雨の中立ちっぱなしで1時間。
ようやくバスで市内に戻り、
ヘトヘトではありましたが、
おじさんにお土産を渡そうと件の飯屋さんに立ち寄りました。

相変わらず白いランニングシャツのおじさん、
「これ、わしに?」とすごく驚いて、「ありがと、ありがと」の連発です。
Thank you very much, YOU helped us much!
例の路地を宿に向かって歩き出すと、
バタバタと追いかけてきてバナナを1本差し出してくれました。
「知ってるか?これ、バナナ。おいしいおいしいよ!」


b0253075_20383428.jpgありがたくいただいて、お夜食に先生と半分ずつ食べました。
日本で食べる台湾バナナと、ほとんど同じ味でした(^^)

こうして人情豊かな
タクシー事情の悪い
雨の台南とはお別れです。

翌朝は、やっと雨も上がりましたが
ここまで来ることは、もうないかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
 
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by prem_ayako | 2016-09-16 20:40 | travel | Comments(0)

アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。


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