アードラーの夢

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アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。

『チベットの秘密』

だいぶ前に手に入れた
ツェリン・オーセル/王力雄 著 劉燕子 訳
『チベットの秘密』をようやく読み終わりました。

オーセルさんの詩、
オーセルさんのエッセイ、に続いて
王さん(オーセルさんの夫)の論文、
そして最後に劉さんによるツェリン・オーセル文学論
というちょっと変わった構成です。

第3部の論文「チベット独立へのロードマップ」
になかなか手がつけられなくて
それで読み終わるのに時間がかかっていたのでした。
政治関係苦手なもんで・・・(^^;)
実際読んでみたら、けっこうおもしろかったけど。。。


オーセルさんの詩やエッセイについては、
野田先生が2日にわたって詳しく補正項に書いてくださっていますので
付け加えて申し上げることはほとんどないのですが

ひとつ、泣けてしかたがない詩篇とエピソードがありましたので
それだけシェアしたいと思います。

「私は俗世では生長しない花を抱く
 枯れ萎む前に急ごう
 目に熱い涙をたたえながら、急いで行こう
 一人のえんじ色のご老人に捧げるためだけに
 一すじのほほえみが、世々代々を
 一つに結ぶ」

「えんじ色の僧服をまとったご老人、
 私たちのエシェ・ノルブ(宝物)、
 私たちのクンドゥン、私たちのコンサ・チョク(偉大な法王様)
 私たちのギェルワ・リンポチェ(ダライ・ラマの尊称)」

多くのチベット人は、このえんじ色のご老人にお会いして
お説教を聴き、加持を受けることを渇望しています。
それはもう心から、何十年も待ち焦がれています。
でも、それができません。
申請してもパスポートを入手できないからです。

(仮に運良く正規のパスポートが入手できたとしても、
えんじ色のご老人にお会いするには相当の覚悟が必要です。
たとえば昨年のお正月、
インドのブッダガヤで法王のカーラチャクラ灌頂を受けるため出国したチベット人の多くは
帰りの国境で、なけなしの持ち物、法具、お土産、すべてを奪われ、
ひどい場合にはそのまま連行されました。
当局の気にいらないことをあえてすればどんな目に遭うか。
あとで見せしめにするのは、あの国ではよくあるやり方のようです。)

このことを考えると、
ダライ・ラマ法王が日本を頻繁に訪れてくださること、
日本が猊下の来日を許可していること
(アジアのほとんどの国は猊下へのビザを発行しません)、
お話を直接お聞きする機会をもてることが
どんなに貴重で稀なことか。
ありがたく、また申し訳なく感じます。

でも、ある日、オーセルさんは、猊下にお会いすることができました。
インターネットを通じて!

2011年1月4日、インターネットのビデオチャットを使って
北京にいる、人権問題に取り組む弁護士2人と王力雄と
ダラムサラにおられる法王との対話が実現したのです。

オーセルさんは、北京の自宅で、
夫の王さんの後ろに張りつくようにして、
一語一語に耳を傾けていたといいます。

「私は涙があふれるばかりでした。チベット人のやり方で頭を三度床につけ、祈祷の言葉を口ずさみながら、両手でカタを捧げ持ち、パソコンの前でひざまずきました。涙目のぼんやりした視界の中で、尊者がはるばると両手を伸ばしてカタを受け入れ、さらに、私に加持祈祷をしてくださったかのように見えました。言葉では言い表せない深い感動を覚えました・・・」


チベット人の精神性の高さは
宗教によるものです。
そして宗教を持たなければ、
b0253075_14145445.jpg人は人に限りなく残酷になってしまう。
中共のやり方を知れば知るほど
悲しいことですが、つくづく感じざるをえないのです。

この本はできるだけ多くの人に読んでいただき
どのようなことが現在チベットで進行しているか
知っていただきたいと思います。
知ることが必要だと思います。
・・・心は暗くなりますが。
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Commented by 酒井朋子 at 2013-01-19 08:25 x
ううう~朝から涙目です~。そばにいる夫に、「何、泣いてるの?」と聞かれました。この本も読んでみたい。あとで、アマゾンに・・。
by prem_ayako | 2013-01-15 14:18 | tibet | Comments(1)

アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。


by prem_ayako