アードラーの夢

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三十七菩薩行

5月に東京で、我が師ガルチェン・リンポチェからいただいた教えはふたつ。
ひとつは「37の菩薩の実践」であり、
もうひとつは「マハームードラ」でした。

どちらもその後、チベット語テキストをインターネットから入手しまして、
そこについている英語訳と
当日の口伝(日本語訳)の録音と
当日いただいたボランティアさんの試訳と
そしてチベット語辞書とをあれこれひっくり返し
なんとか解読しようと努めてきました。

たいへん奥の深い教えですので(特にマハームードラ)
言葉の意味がとれても、とても理解には至りません。

しかし、どちらかというと初心者向けの「37の菩薩の実践」と
上級者向けの「マハームードラ」、
この2つをセットで教えていただいたことは大変ありがたく
この次にガーリンポチェにお会いできるその日まで
(それが今生でかなうかどうか分かりませんが)
この2つをしっかりお勉強しておこうと、心に決めています。

「37の菩薩の実践」は、チベットの聖者
トクメー・サンポ(1295~1369)が著されたもので
37の4行の偈頌(げじゅ)(=韻文)から成っています。

すべての偈が「それが菩薩の実践である」で終わっていて、
大乗仏教の教えと、菩提心をどのように実践すればよいかが
とっても具体的に説かれているのです。

毎朝の瞑想のときに
少しずつチベット語で詠んで味わっているのですが、

なんと11月と2月に、
ポタラ・カレッジにて、この講義が行われることが分かりました。
わーい(^o^) もっと詳しく学べる。絶対行くぞ♪
と思ってよく案内を見たら、
参考図書として、
『ダライ・ラマ 生き方の探究』(春秋社)と書いてありました。

b0253075_2121080.jpgなぬ?
法王のご法話があったのか!知らなかった。

さっそく注文しました。
どうやら絶版のようで、1997年の第1刷を中古で手に入れました。

38歳の法王が、1973年、ブッダガヤにて3日にわたって
このトクメー・サンポのテキストを口伝なさったときの全訳でした!

この半年、苦労して解読してきたテキストが
美しくわかりやすい日本語に~(ToT)

しかも翻訳はゲシェー・ソナム・ギャルツェン・ゴンタ先生です。
・・・といってもご存知ない方がほとんどでしょうね。
去年から3年の行に入っておられるため私はお会いできていませんが
ポタラ・カレッジのクンチョク先生、ガワン先生の
上に立つ先生でいらっしゃいます。

そして法王のご法話のテープおこしをされたのは、
ガワン先生だと書いてあるじゃぁありませんか。
15年前・・・みなさんが総力あげて作られたご本なんですね~(T_T)

法王、写真もですが、
お話のされ方も力強く、お若い。
亡命されて15年になろうとする頃のご法話です。

 国家レベルでは、私たちの自国を考えると暗い時期にあります。しかし、大きすぎる期待はよくありませんが、まったく期待や希望がもてない状況ではありません。自分も今若く、これから多くの歳月を過ごすことができるという希望をもって、勇気をもちながら生きていくつもりです。(中略)
 チベット全体に関しても、私たちチベット人の「福徳」がなくなってしまったわけではないのです。今の状況は皆既日食のようなものです。一時的な状況であって、これが永遠に続くのではなく、私たちの「福徳」はこれから増大していく可能性があるのです。ですから、これからも「善き行為」である「福徳」を積むよう努力して生きていきましょう。


泣けてしまいます。
亡命50年以上たった今のチベットの状況
今の法王のお気持ちを考えると・・・


一気に読みました。
法王は初心者にもわかるように、噛んで含めるようにお話ししておられます。
ああ、なんて分かりやすい!
テキストの構造がようやくはっきりしてきて
ガーリンポチェのおっしゃっていた内容も理解しやすくなりました。

さらに11月にクンチョク先生から教えを受ける日が、
とても楽しみ!待ち遠しいです。


さてこの「37の菩薩の実践」の中でも最も大切な教えは、
ガーリンポチェも言っておられましたし法王もおっしゃっておられますが、
以下の第十番目の偈です。

  無始以来より私を愛してくれた母たちが
  苦しみもがいているならば、自身の幸せなど何になろうか
  それゆえ、限りなき衆生を救うために菩提心を生起させる
  それが菩薩の実践である

実は、ガーリンポチェからお聞きした、忘れられないお話があります。
リンポチェのラマが体験されたことだそうです。

☆☆☆☆☆☆☆

ある村に、みんなが困っていた暴れ者の男の人がおりました。
ラマはあるときその男の人に会い、この「三十七菩薩行」を教えました。
その人はラマに帰依しましたが、読み書きを知らなかったので、
ひとつひとつ、教わったものを聞いて覚えていき、
長い時間をかけて37個全部を暗記しました。
そして、この「三十七菩薩行」だけを、これだけを一生懸命修行しました。
しだいにその人は、みなから尊敬されるようになりました。

そのうちに中国が侵攻してきました。
ラマも、その人も牢屋に入れられました。

その人は牢屋の中でもいつもおだやかでした。
あるとき、食事をしなくなりました。
といってもたいした食べ物が配給されるわけではなかったのですが
毎日のパンなどを、その人は取り置いていきました。
他の人がその人の行いをケチだと言って笑っても
ただにこにこしていました。

1週間か10日たったある晩、その人は言いました。
「さあ、きょうはお祝いです。みなさんこの食べ物を召し上がってください」
そしてそれまで貯めていた全ての食べ物をみんなに分けました。
みんなお腹を空かせていますから、喜んで食べてお祝いしました。

その人は毎晩、横にならずに座って瞑想するのですが
その晩もいつものように瞑想に入ったようです。

翌朝、人々が起きてきたとき
彼は座ったまま亡くなっていたそうです。
彼は1週間か10日前に、自分の死ぬときを知って
最後の菩薩行をなさったのでした。

☆☆☆☆☆☆☆

私には、あまり多くのことを覚えたり学んだりする力はありません。
ですからこのお話を聞いたとき、この菩薩のように
目移りせず、何かひとつを実践していこうと思いました。

「37の菩薩の実践」は
今生を賭けて学ぶに足る教えだと思っています。
だから、もうひとついただいた教え「マハームードラ」に
届く日がくるかどうかわかりませんね(^^;)
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by prem_ayako | 2012-10-14 21:28 | tibet | Comments(0)

アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。


by prem_ayako