アードラーの夢

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アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。

Kurzeme

約束どおりヨランタが
もう1度ドライブにつれていってくれました。

ラトヴィアには3つの地方があり
リーガやツェーシスは、中つ国という意味のヴィゼメ地方。
バルト海に沿った海岸地方はクルゼメといいます。

クルゼメ!
なんてすてきな響き♪

リーガはバルト海に面してはおらず
リーガ湾という大きな内海の奥にある良港で
中世のハンザ都市です。

リーガから本当のバルト海まで日帰りでは遠すぎるので
湾の突端の岬の町、コルナをめざすことになりました。
それでも片道4時間ほど
先日行ったチェーシスと反対方向へのドライブです。

この日は、ヨランタのルームメイト
ロシア人のオルガもいっしょです。
オルガは英語があまり話せないので
彼女のロシア語はヨランタが英語に通訳してくれました。

最初に向かったのは、
リーガから車で半時間ほどのユールマラというリゾート地です。
北国のヴィヴァリーヒルズみたいなものでしょうか、
有名人の別荘や高級近代ホテルがたくさん並んでいます。
海岸は美しく、細長くて
季節はずれの神戸の須磨海岸みたいです・・・
いっきにスケールを小さくしてしまいましたけど(笑)

バルト海沿岸の不動産は人気が高いそうですが
毎年のように、嵐で高波がくると、土地が削り取られていくといいます。
「それなのに、なんで海沿いの土地を買いたがるのか私には理解できないわ!
 流れた土は絶対にもどってこないのに!」とヨランタが言うと
オルガが
「たぶん(対岸の)スウェーデンの土になるのよ。スウェーデン王の陰謀かも!」と
シニカルなコメントを入れて、大爆笑。

次に向かったのは、ヨランタお気に入りの石の海岸です。
ヨランタはリフレッシュしたいとき
ときどきここまでドライブしてくるのだそうです。

ここは、ほんとうに地元の人しか知らないような場所で
私の持っている日本のガイドブックには
土地の名前すら載っていませんでした。
というわけで、ここでも一応秘密にしておきますね~。

少し神秘的なとても居心地のよい場所で
さまざまな色合いの平たい石が不思議な光景を作り出していました。
カモメでしょうか、イソシギでしょうか、
海鳥の声と波の音しか聞こえません。
時間が許せば、何時間でも石の上に座って瞑想していたいような所でした。

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さらに岬に向かって車を走らせ
昼もとうに過ぎた頃、最終目的地のコルナに着きました。

ここは、バルト海の波がリーガ湾に入ろうと
ぶつかりあって渦を巻く、海上交通の難所です。
実際に海の色が違っているのがわかります。
昔は海賊がここを本拠地にして、貿易船を待ち伏せて襲ったのだとか。

この日はフィッシング・フェスティバルとかで
こんなに人が多いのは初めてよ!とヨランタは残念そうでしたが
日本基準では、そう混雑しているというほどではありませんでした。
それに、こういう景勝地に
展望台とかホテルとかが全く建ってないのは、
とてもいいことです。

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クルゼメの人々は、ヴィゼメの人々に比べて
勇敢で強いことで有名なのだそうです。
男性は海に出て
漁あるいは海賊で稼ぎます。
女性は残って家を守るので
やっぱり強くて勇敢で
なんでも自分たちで取り決めて仕切るのだそうです。

日本でいうと、
高知とか紀州の感じかな?

チベットでも、首都ラサと
東部のカムやアムドとでは、気質がぜんぜん違うといいます。
カムの人のことをカンパと呼んで
その荒っぽい気性や勇猛さを称えるので
クルゼメもそんな感じかな~と面白く思いました。

海岸に来ると、ヨランタはいつも
ここには琥珀は落ちてないのよ。
琥珀があるのは、バルト海 real sea に面したところで
しかも嵐の後でないと落ちてないし~
とか言いながらも、
目はいつだって、足下を見ているのです。

ねぇちょっと、本能的に探してない?と言うと、また大笑い。
Every Latvian does!
ひょっとしたら落ちてるかもしれない~と思って!

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この日から数日経ちましたが
いま目を閉じても
車の窓から眺めたラトヴィアの風景が浮かびます。

たくさんたくさんの森を通り過ぎました。
どこもかしこも、両側は深い森。森。森。
クルゼメの森は、ほとんどが松か白樺です。
飛行機から見て感動した深い緑のただ中を
私たちはこの日通り過ぎたのでした。

松は日本の松よりずっと高くて
天に向かってま~っすぐ伸びています。
その幹の色も日本の松より薄く、
先端にいくほどさらに薄く、
ヨランタに言わせると太陽の色に近くなります。

森の切れたところには
空から見てパッチ模様になっていた
風に穂をなびかせる麦畑と草原。
シロツメクサや黄色のデイジー、
そして淡い紫の小さな花々が揺れていて
人間だけでなく、植物たちも
短い北国の夏を謳歌しているように見えました。

空と雲と、
日差しによって濃淡の変わる緑と、
麦の穂と
控えめな花々。
ほんとうに美しくて

Jolanta, it IS beautiful!
と感嘆しっぱなしでした。
ところどころ見える土の色も肥沃で
This is a rich land.

Thank you.
And we know what we have.
I like my country more
because we know what we have and try to keep it.
ラトヴィアの人は、自分たちが持っているものの大切さをよく知っている。
そういうところが、私はとっても好きなの。。。

・・・ほんとにそうであるべきです。
日本は恵まれた自然と独特の文化をもっているのに
その価値に気づかず
守ろうともしていません。。。


途中の町で食事をとって
リーガに戻ったのはもう夕方8時前でした。
それでも北欧の夏の特権、
まだまだ西日がさしていて明るいのです。

翌日は朝早いバスで国境を越え
ICASSI会場へと向かいます。
まる2日間、私たちにつきあってくれたヨランタに
さよならをしなければなりません。

How can I express my thanks to you?

I'm happy. I'm happy too.
And come again!

b0253075_518494.jpgいつもヨランタに会うと
周りの人々に対する細やかな心遣いと、
自分の意見をしっかりと持って
しかもそれを決して押しつけない
かしこさに強く打たれます。

この年になってなんですが、
私ももっと大人になりたいな
もっと成長したいなあ
と思うのでした。

Good-bye, Jolanta,
And thank you very much for introducing your homeland!
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Commented by えな at 2012-07-18 18:36 x
旅行記、ありがとうございました~!
ICASSIの旅行記も楽しみにしております♪
「中つ国」って、素敵な響きですねぇ。
Commented by ayako at 2012-07-19 06:03 x
えなさん、読んでくださってありがとうございます。
ICASSIが始まると忙しく、書くヒマがなくなってしまったのですが
今回受けているコースでも、とっても素敵な出会いがありました!
また書きますね~♪
Commented by Peko at 2012-08-03 23:11 x
We know what we have.
自分の持っているものを知ることは足るを知ることにつながるかも、とおもいました。
Commented by ayako at 2012-08-06 21:26 x
Pekoさま
足るを知る。本当にそうですね。
私たちはあまりにも
ないものねだりをしているかもしれませんね。
by prem_ayako | 2012-07-17 04:50 | travel | Comments(4)

アードラー先生は夢を見なかったそうです。しかしてアードラーの夢とは兎の角、虚空の華、ガンダルヴァの城、空、幻・・・。


by prem_ayako